生田緑地北側の入り口「長者穴口」の看板を県立向の岡工業高校(堰)の3年生8人が制作。1月18日に設置した。約30カ所ある生田緑地の入り口の中で、ビジターセンターや大型駐車場がある東口・西口に次ぐ、新たな玄関口として再スタートを切った。
ベニヤ板3枚を貼り合わせた横130センチほどの本体に「生田緑地長者穴口」と掘り込まれた看板は、同校の課題研究の一つ「出前授業班」で制作。建設科の杉山雄汰朗教諭(27)の指導のもと、リーダーの武山凱也さん(18)ら生徒8人が看板の形状や書体のデザイン、設計などを手がけ、約半年かけて昨年末に完成させた。
枡形山広場への階段が続く「長者穴口」。周辺には、1968年に市の調査で30基以上の横穴墓が見つかった「生田長者穴横穴墓群」が広がる。これまで「北口」の通称で知られ、以前は支柱に縦書きで「生田緑地」とだけ表示されていた。
看板のデザインは個々のアイデアをもとに、下の丸くなっている部分は墓の横穴をイメージしたという。特に苦心した工程は文字をくり抜く作業で、材料を切断する電動工具「ジグソー」を初めて使用。ほとんどの文字を担当した小島あずみさん(18)は「時間がない中、読める字に仕上がってよかった」とほっとした様子。武山さんは「みんなが遠足で行くような場所に、形に残るものを作れてうれしい」と話した。
待望の「第一号」
市民団体や行政、指定管理者らが緑地の管理運営に参加する「生田緑地マネジメント会議」では、部会「おもてなしプロジェクト」(松岡嘉代子代表)を2017年に発足。各入り口の名称について検討し、分かりやすさや防災の観点も踏まえ、19年には名称の必要性を市に提言した。その後、17カ所に名称をつけ、12カ所を公表した。
松岡さんは「新しい名前がついたこの入り口に、看板の第一号が実現できた。向の岡工業高の皆さんのおかげ」と感謝を表した。
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