川崎市は2月8日、2021年度当初予算案を発表。一般会計は7年連続過去最高の8208億円となった。最優先課題として新型コロナ対策に約217億3千万円を計上し、中小企業の資金繰りや生活困窮者の支援に充てる。市税収入が大幅に減る中で追加予算等を見据え、事業者の経営支援を進めていく。
新型コロナ関連では、失業等により住居を失う恐れのある人を対象とした住居確保給付金に約7億7千万円、中小企業への「新型コロナウイルス感染症対応資金」の利子補給や信用保証料補助に約106億4千万円を計上。就業支援や求人企業へのマッチングのための相談窓口を整備し、市民や事業者の支援を進める。会見で福田紀彦川崎市長は「今年度の補正や来年度予算への追加提案を含めて予算を確保し、継続的に経済対策を進める」と方針を示した。
変化する生活様式に対応するため、デジタル化も進める。市立小中学校に通う児童生徒に1人1台パソコン端末を導入する「かわさきGIGAスクール構想」には約12億5千万円を充てる。行政手続きではオンライン化を進め、電子申請ツールや窓口でのキャッシュレス決済の導入に取り組む。
今年度補正予算ではワクチン接種のシステム構築などに約2億5千万円を計上。4月新設予定だったワクチン調整室は来月前倒しで開設する。
市税 前年比180億減
歳入で大きな割合を占める市税は個人市民税93億円減、法人市民税53億円減などで前年度比180億円減。ふるさと納税による流出は69億円、収支不足は現状307億円に達すると見込む。市は将来の借金返済のために積み立てる減債基金から、286億円を新たに借り入れ。12年度決算からの借り入れ総額は938億円に上る。財源確保に向け、市は南武線立体交差化など大規模事業の計画を見直し、投資的経費を前年度比97億円減の981億円としている。
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