市民生活や地域風土に根ざして継承されてきた文化財を市が新たに顕彰する「川崎市地域文化財」。今月9日、第4回の選定結果が発表され、市内で31件、うち多摩区内で5件が決定した。第1回からの総数は190件。区内は計49件で市内最多を維持している。
長尾・射的(まとう)祭も
未指定の貴重な文化財を幅広く記録しようと、市が2018年度に創設した制度。第4回では区内5件のうち3件が長尾町会による推薦で、長尾神社で鎌倉時代以前から続く「射的祭」とその儀式記録、同神社の手水鉢(ちょうずばち)が選ばれた。毎年1月7日に近い日曜日に行われる射的祭は、的を射ることで五穀豊穣や無病息災を祈念するもの。射手には7歳の男児2人を選出し、代わって介添人が座布団に座ったまま矢を放つ。長尾神社奉賛会の鈴木実弥一会長は「地域の重要な伝統行事の一つ。子どもたち、孫たちにも続くようにやっていけたら」と思いを新たにする。
区内の郷土史研究を行う稲田郷土史会の推薦で決まったのは「登戸光明院の六字名号塔群」。中央に「南無阿弥陀仏」の六字を刻んだ名号塔が立ち、左脇侍に観世音菩薩像、右脇侍に勢至菩薩像を配した3基で阿弥陀三尊が形成されている。1714年に地元の名主・田沢繁義が建立したもので、同会の鶴見邦男会長は「六字名号塔は市内に14基あるがいずれも単体。三尊塔は光明院だけで、珍しく貴重なもの」と説明する。
栗谷町会は「大典記念修路之碑」(栗谷3の7の9)を推薦し、地域文化財に決定。1928年にできた石碑で、昭和天皇即位と、栗谷の山道に切通しをつくったこと(修路)を記念したという。伊藤重子会長は「旧道は山の上を通る回り道だったが、道路ができて生活が楽になったと言われている。住民が費用を出し合って実現した、歴史に残すべき大切な出来事」と思いを寄せた。
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