3.11境に箱根の湯温・量に変化 湯本や強羅で概ね1〜2度上昇 毎分80リットル増えた源泉も
温地研「火山活発化ではない」
3月11日以降、箱根の一部で源泉の温度や湧出量が変化した事が明らかになった。県温泉地学研究所(入生田)が強羅と湯本にある22ヵ所の井戸を調べたところ、温度が概ね1〜2度上昇し、一部の源泉で湧出量が毎分120㍑から200㍑へ増えたことが分かった。
こうした変化について同研究所は「震災の揺れが温泉を含む層に影響したのではないか。箱根火山の活発化ではない」と分析している。仮に火山の活発化による温度変化であれば、同時に火山性の地震が頻繁に観測されるはずだが、その形跡がない。大涌谷にも変化が見られないという。「温度が上がっている」―同研究所に温泉事業者などから問合せが相次いだのは震災から1週間後のこと。4月に入り湯本と強羅の源泉を調査したところ、3/11を境に18地点で温度が上昇し、4地点で下降した事が判明。湯量は16地点で増え、4地点で減少していた。箱根の源泉の深さは地表近くから数百メートル程度で、地下水や温泉は岩盤の隙間などに溜まっている。地震の揺れがこうした層に影響したらしい。同様の変化は過去の群発地震の際にも例があるという。今回の調査は350ヵ所ある箱根の源泉のうち、22ヵ所を選抜して実施したもので、変化の全容は定かではない。研究所には湯河原からも同様の情報が寄せられており「他地域の源泉も変化が否めない。著しい変化が出たら調査する」としている。
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