3年前の台風の影響 県が調査中 真鶴の海底さぐり「泥」追う
県の水産技術センター相模湾試験場が、真鶴沖の砂や泥の採取を続けている。透明度が高まる11月ごろからは水中カメラで海底の様子を観察する予定だ。
調べているのは3年前の台風9号で生じた酒匂川の濁流の影響。上流の静岡県小山町などから大量の土砂が流出、ヒラメの漁場だった酒匂川河口近くには流木がたまり、現在も刺網漁ができない状態が続いている。
海底の泥は海流によって河口から西に流れる傾向があるため、県は小田原周辺で実施していた水底調査を2011年に真鶴まで拡大。真鶴港沖や採石場沖、八貫山沖などの海底を繰り返し探り、潜水で貝類への影響を調べてきた。その結果、真鶴港沖の底で細かい泥や粒の細かい砂がたまっている事や、琴ヶ浜沖に3年前に運ばれたと思われる木片が堆積していることが判明している。これらが漁業にどう影響したのかは不明だが、地元真鶴や福浦の漁協によると「漁獲に目立った影響はない」という。
小山町の河川護岸はほぼ復旧しているものの、酒匂川にはいまだに3年前の土砂が堆積しており、大雨で増水するたびに流れ出している。県は堆積土砂を掻き出し、海岸に移して養浜に活用しているが、土砂を防ぐには上流で森を育て、保水力を高めるなど多角的な取り組みも欠かせない。
漁業関係者の間では、泥の影響を心配する声や長期的な調査を望む声が多く、同試験場も「泥の堆積でヒラメやアワビ、サザエなどの生長にどう影響するか。今後も調べる必要がある」としている。県は漁業関係の公益財団法人からの委託という形で、今後も調査を続ける方針だ。
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