行政や学者などによる火山ガスの会議が15日に開かれ、大涌谷へのロープウェイ延伸や黒たまご製造再開、噴煙地の立入禁止の条件つき解除を決めた。
駅舎からは出られない
ロープウェイは昨年秋に桃源台〜姥子間が再開して以来の延伸で、23日(土)12時からは大涌谷駅まで乗車できる。駅舎からは出られず、すぐに姥子行のゴンドラに乗って戻る形だが、大涌谷駅構内の窓から噴煙が見られる時もあるという。
一方で火山ガスに敏感なぜん息や心臓疾患の患者を乗せないために、乗車前には注意を配布。火山ガス対策として今回新たに登場したのが、ウェットティッシュ配布だった。火山ガスは水に溶ける性質があり、濡れタオルなどが効果的という。またゴンドラ内には酸素缶や水などを詰めた救急箱を配備。運行中も一部のゴンドラでガスを計測する。
黒たまごは製造場所の「玉子池」が警戒区域から離れていることから、ガスマスク携行などを条件に認められた。28日から仙石原の旧ロッヂ富士見苑を「くろたまご館4」としてリニューアルオープンさせ、販売する計画。
温泉メンテ拡大
噴煙地にはこれまで、ガスが勢いよく噴出していた蒸気井を中心に半径150mの「レッドゾーン」と呼ばれる立ち入り禁止があったが、今後は100mの「イエローゾーン」とし、ガスマスクや検知器常備などを条件にすべての場所に立ち入れるようにする。今年に入り県が地すべり検知器を設置、専門家が「当面は危険が少ない」と判断したこともあり、緩和が決まった。箱根温泉供給(株)によると、「勢いの強かった蒸気井も今年になり落ち着いてきた」。温泉の生産量は現在の1・2倍の約2千トン(日量)に増える見込という。
変化激しいガス
行政を悩ますのは風向きや風力で濃度が変わりやすい火山ガスだ。今年に入って常時観測も始まったが、長期的なデータはまだ蓄積が浅い。二酸化硫黄濃度が0・2PPMを超えると喘息患者などは影響を受けるとも言われ、仮に今後0・2を上回る場合は安全な数値になるまでロープウェイを停止させるという。
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