神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

新名物なるか「湯河原オリーブ」 「真鶴でも増やしたい」

公開:2014年2月7日

  • X
  • LINE
  • hatena
3ヵ月前に収穫された果実 渋抜きして食用にする
3ヵ月前に収穫された果実 渋抜きして食用にする

脱サラの大同久志さん(吉浜)120本栽培

 関東では少ないオリーブの栽培が、湯河原や真鶴町で始まりそうだ。吉浜の「大同ファーム」では2年前に120本の苗を植え、本格的な収穫を目指している。

 大同久志さん(50)は外資系IT企業を退職後に県農業アカデミー(海老名市)で学び、実の値段が高めのオリーブに着目。妻・千香さんの「石鹸を、原料を育てるところから作りたい」という夢もあり、東京から夫婦で湯河原に移住した。農地を借りて植えた苗は高さ1mほどだったが、2年でほぼ倍のサイズに成長し、3ヵ月前に初収穫。合わせて約10キロだったが、ここに至るまでは苦労の連続だったという。オリーブは根が浅い。湯河原の柔らかい土壌の上では風で倒れやすく、紐で補強するとカラスが来て取ってしまう。オリーブの幹を食い荒らす害虫(ゾウムシ)対策にも悩まされた。初しぼりのオイルをパンにつけて食べると「油を含む普通のオリーブの味がした。できた、という気持ちがわいた」。収穫は来年から本格化する予定で、今は剪定に忙しい。

二宮町が目指す100トン

 県内でのオリーブ栽培は二宮町の農家が先駆けで、すでに二宮産のオリーブ油が土産として売られている。現在は坂本孝也町長の肝煎りで特産物化に取り組んでおり、30年後、100トンの生産が目標。平成24年度を 「オリーブ元年」として1000本の苗を農家に配り、町所有の農園などに植えた。今のところ8割は順調に育っているという。二宮町産業振興課は「他の野菜に比べて、生のオリーブは実が渋く鳥や獣に食べられない。神奈川の降水量や日照も栽培には支障ない」と意気込んでいる。

 小田原市では来年度からオリーブ栽培に向けた検討組織を立ち上げようとしている。市内には早川や片浦、久野などに170ヘクタールもの遊休農地が点在しており、中でもミカンやキウイの樹が放置されているケースがある。加藤憲一市長は打開策の一つとしてオリーブに注目。昨年6月には国内最大級の産地である香川県小豆島を訪問し、農園などをまわった。「地場産オイルがあれば蒲鉾などの消費拡大にもつながる」(市長)という期待もあるが、小田原も手探り状態でのスタート。市農政課は「前向きに進めたい。どの品種が良いのか防虫なども含め研究が必要」と話した。

吉浜の高台に広がるオリーブ畑
吉浜の高台に広がるオリーブ畑
小田原市長は産地を視察
小田原市長は産地を視察

箱根・湯河原・真鶴版のトップニュース最新6

宇宙に輝く「勝俣隆」

宇宙に輝く「勝俣隆」

箱根出身・功績たたえ小惑星に命名

5月1日

蘇るか彫刻の祭典

真鶴町

蘇るか彫刻の祭典

来年の五輪に合わせ、今秋にも公開制作

5月1日

創始者が一万円札に

創始者が一万円札に

箱根温泉供給(株)のルーツ「耕牧舎」創立

4月19日

漫画でわかる土肥実平

漫画でわかる土肥実平

 武者行列で初配布

4月19日

湯河原の由来も万葉集

湯河原の由来も万葉集

「令和」に驚きと期待

4月5日

「あかり」大槌町に出張

湯河原明店街マスコット

「あかり」大槌町に出張

復興中の末広町商店会と交流

4月5日

あっとほーむデスク

  • 5月1日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 1月25日0:00更新

箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2019年5月1日号

お問い合わせ

外部リンク