かえりびなの会・茂村さん宅(箱根) ケネディ大使から手紙届く
トモダチ作戦への感謝込め米大使館に桃の雛贈る
箱根町宮ノ下の月廼屋旅館の仲居・茂村ひとみさん(66)が始めた「かえり雛」作りが、東北など各地に広がり、「雛」のひとつがキャロライン・ケネディ米国大使の手に届いた。
かえり雛は茂村さんが被災地に贈ろうと着物の帯を再利用して作ったのが始まり。その後もひな作りと指導通じて被災地に「かえりびなの会」が生まれ、活動の輪は広がっている。
そんな中、仙台市で活動するメンバーから米国による「トモダチ作戦(※)に対して米国大使にお礼がしたい」という声が起こった。同会と大使館をつなげたのは、地元の衆院議員・牧島かれん氏。3月、茂村さんと会のメンバーは牧島氏とともに大使館を訪問し、「桃」を象ったつるし雛を贈った。
この日ケネディ氏は不在だったが、2ヵ月後、箱根町の茂村さんの自宅玄関に英文の手紙と写真=上が届いていた。英文が読める知人に翻訳してもらったところ「大使館で東北のために働く職員にも分けてあげました、自宅に吊るすのも楽しみ」「これからも東北への支援を続けることを誓います」「心から、キャロライン・ケネディ」とあった。
同会では震災の行方不明者2633人を忘れないために、祈り桃に込めながら「1人ひと桃」を作っている。延べ2633人の手で作り上げる計画だ。茂村さんは「まさか返事が来るとは。心が通じたのだと思う。仲間たちの取り組んでいることの、原動力に、自信につながった」と話している。
【※トモダチ作戦】…2011年の震災の時に、米軍が2万人の兵士や20隻の艦船160機の航空機などを投入した人道支援活動。インフラの復旧や救援物資輸送、行方不明者の捜索などを行った。
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