「町民負担避けやりくりしてきた」
箱根町議会で財政のマイナスを補うための増税案が16日に提出され、普段まばらな傍聴席に住民など20人がつめかけた。
議員側からは懸念や既存事業の見直しなどを求める声が続出。役場側は増税への理解を求めつつ、それが叶わない場合に行政サービスを削減する可能性にも触れた。議会は「さらに議論が必要」として案を行財政改革調査特別委に託した。
町側は税収減や社会保障費増などを理由に来年度から9億円分の歳入が不足すると発表。学識者会議などの提言もうけ、不足を固定資産税アップ(1・4%→1・68%・6年間)でまかなう結論を出していた。
しかし大涌谷の火山活動で疲弊した中での負担増に議員の間からは疑念や異論が相次いだ。増税案が今に至った事について「切迫感がなかったのでは」、「経営の失敗を押し付けられるのは筋違いという声がある」という指摘が、また仙石原レイクアリーナや宮城野さくら館運営、今後の宮城野保育園新築についても見直しを問う声が上がった。
ボーナス減等約7千万円
山口町長は「町民に負担をかけないようぎりぎりまで努力してきた」とし、地方交付税が受け取れない事情や公共施設見直し、職員数削減など行革の経緯を説明した。今回、増税案に合わせて出されたのが、町長や職員・議員らのボーナスを削り、昇給を停止するなどして約7千万円を節約する案。これは可決されたものの、議員からはさらなる人件費削減を求める声も出た。町長は「給与は決して高くない。優秀な人材を確保するため削減は難しい」と難色を示した。
特別委に託し12月の議会へ
焦点は特別委と12月定例会に集まっている。年間の固定資産税率は1月1日時点で決まるため、このタイミングで議決する以外、28年度の税率アップはできない。また大涌谷の影響でさらにマイナス2億円ほどが見込まれる。町幹部の一人は「増税できなければ予算が組めなくなる。町単独での事業から削らざるを得ない」と予測する。傍聴者の男性は「高い給与を払って役場と議会に人材が集まっていたのなら、数年前に気付いたはず。私達も財政を知らなすぎた」と語った。
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