箱根町で「事業系可燃ごみ」に注目が集まっている。町ではこれまで1日100kgまでを無料収集してきたが、原則持込み(有料)とする案を3月議会に提出。これに対し箱根温泉旅館ホテル協同組合など9団体が「拙速」などとした反対陳情を出した。議案は通らず、継続審議となっている。
「ごみ削減の重要性は理解」
箱根町の可燃ごみは旧芦之湯フラワーセンター近くにある焼却施設に運ばれ、灰は近所の埋立地に運ばれているが、空き容量はあと10年ほどと限られており、増設の予定はない。町側はごみ減量などを理由に「受益者負担」を求めた形だ。
「ごみ削減の必要性は十分認識している。だが、なぜ今なのか」。同組合の若林伸二事務局長は大涌谷噴火の影響を引きずった状態での新ルール導入を疑問視する。「今年に入り財政難を理由に固定資産税率を上げたばかり。事業者は疲弊しきっており、もろ手をあげて賛成できないだろう」。町は今年1月〜2月にネットなどを通じてこの案のパブリックコメントを募ったが「事業者への説明が少なく、伝わっていないのでは」とも指摘する。
今月11日、町議会は宿泊業界や寮保養所、庭園、商工関連団体を招いてヒアリングを実施。出席者からは導入のタイミングについて戸惑いの声が相次ぎ、「受益者」の捉えかたを問う声、現行の収集体制見直しを求める声などもあった。箱根にはホテルや旅館から出る残飯や剪定枝をリサイクルするための具体的なシステムがなく、その推進案も具体化しない状態での「ごみ減量」について、疑問視する声もあった。議会ではこうした意見を吸収しながら他自治体の視察も行い、検討を深めるという。
湯河原真鶴は
湯河原町や真鶴町では箱根町と異なり、事業系の可燃ごみは500kgまで無料で収集し、焼却施設に直接持ち込んでも無料で受け付けてきた(一部例外あり)。4月には周辺自治体で当たり前だった指定ごみ袋を導入したばかりで、この態勢がすぐ変わる様相はない。3年後には「さつきの郷」近くに約50億円をかけた屋根付焼却灰埋納施設も完成し、新たに38年分の受け入れ余裕ができる。
こうした中、1市3町はごみ処理広域化について、小田原・3町それぞれの処理の統合を探っている。箱根のごみ焼却灰が湯河原に運ばれる可能性も含んでおり、具体化はこれからといったところ。隣町のごみが決して他人事ではない現状が横たわっている。
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