真鶴町の有志団体が11月中旬に12匹の「TNR」活動に取り組んだ。野良猫の捕獲(トラップ)、不妊去勢手術(ニューター)、元に戻す(リターン)の頭文字を表しており、町内でまとまった数が実施されるのは珍しい。活動の主体になっているのが「まにゃづる」(宮澤愛子代表)。3年ほど前に発足し、猫と人とのより良い共存を目指して講演会やアート展示などのイベントを開いてきた。
半島内では野良猫に餌を与える人が複数いる一方で、住宅街では猫避けのペットボトルを並べた家もあり、猫との隔たりも感じさせる。まにゃづるのメンバーによると、仔猫がビニール袋に入れられ、ゴミ捨て場に放置された事もあったという。まにゃづるではこれ以上野良猫を増やさないために、猫の多い公園でTNRを計画。「手術後の猫が元の場所に戻れば、自分たちの縄張りを守るので他からの野良猫の流入も防げる」というのが宮澤代表(56)の考えだ。イベントでの収益金とともに、役場を通じて公益財団法人の助成金も活用し、隣市のNPO「おだわらねこ」の協力で捕獲用のカゴを用意した。まずは小田原の動物病院に運ばねばならないが、肝心の捕獲は雨天とのにらめっこが続いた。猫は空腹にならないとカゴに入らないため、餌やりを控えるよう、また捕獲期間中は飼い猫を外に出さないよう近隣にチラシを配ったり、タヌキが入らないよう注意する必要もあった。メンバーが何度も現場に通い続け、先月22日までに手術を受けたのはオス5匹、メス7匹。手術中に片耳に切り込みを入れ、それが桜の花びらに似ていることからメンバーは「さくらねこ」と呼んでいる。
メンバーによると町内には野良猫が増えている場所や飼い過ぎとも言えるケースがあるという。メンバーで元町議の村田知章さん(43)は「可愛がって餌を与えるだけでなく、糞の後始末や不妊去勢手術などの面倒もみるべき。本来ならTNRはやりたくないが、猫と仲良く暮らすためには誰かがやらねば」と話していた。
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