「百合の花咲く丘プロジェクト」を発足させ、活動に11年携わる 富岡 明美さん 県立百合丘高 元PTA会長 61歳
伝統と革新、ユリと共に
○…校内のユリを一般公開するイベント「やまゆり観賞会」。昨年の中止を経て今月、2年ぶりに開催した。PTAが中心になり、手入れを代々受け継いできた「百合の花咲く丘」を見上げ、「今年もきれいに咲いている」とにっこり。「生徒も保護者も、卒業後に『ユリを見にまた百合高へ行ってみようかな』と思える学校になれば」。そっと願いを込める。
○…佐賀県で生まれ育ち、就職を機に上京。結婚し、中原区に移り30年以上になる。百合高との出会いは、長女・ひかりさんが中3のとき、夏休みに一緒に訪れた学校見学。「校章のユリが素敵だなって」。2008年に入学すると、母親としてPTA運営委員会へ。「百合高にちなんだ活動をやろう」。11月、下草が茂る「丘」に約100個、ユリの球根を植栽。翌年は校内の他の土手にも広げ、今の活動につながる礎を築いた。
○…PTA会長になって迎えた3年目の秋、地域団体らの支援のもと本格始動。多品種の球根500個を「丘」だけでなく校門前や中庭などに植栽。生徒や保護者にも参加を呼びかけ、初の観賞会にこぎつけた。「子どもが高校生になると、親が学校から離れてしまう。保護者が学校に興味を持って、ぜひ足を運んでほしい」。PTAでは当初2つだった委員会を5つに分けるなど組織改革も。働きかけていた生徒の大学見学の導入は、会長退任後に実現した。
○…PTA活動で思い出すのは、会長として最後に迎えた卒業式。「お花があったらいいな」。参列する卒業生と教員向けに、ヤマユリのコサージュ作りを初めて企画。学年委員会から教員への花束贈呈と共に、その後も伝統として受け継がれている。「百合高でよかった」。その思いを、全ての親と子へつなぐ。
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5月17日
5月10日