10月8日開催の「KAWASAKIしんゆり映画祭2011」の代表を務める 白鳥 あかねさん 麻生区在住 79歳
人が主役の映画祭を
○…年に一度の名物イベントとして地域に根付いた「しんゆり映画祭」の代表として運営に携わる。17回目を数える今年。震災を意識せずにはいられなかった。選んだテーマは「笑い」と「原発」。前者には「震災による心の傷を癒してほしい」との思いを、後者には「震災をきっかけに浮上した大切な問題について考えるきっかけをもってほしい」との願いを込めた。「映画にできることがきっとある。長年コツコツと開催してきた映画祭だからこそできることを発信していきたい」
○…1932年東京生まれ。55年日活に入社した。映画の撮影現場で記録や管理を務める名スクリプターとして数々の名作を手掛けた。故今村昌平監督に誘われたのを機に、映画祭に参加。第1回から映画祭を支え、しんゆりで始まった小さな映画の祭典を、全国に誇れる一大イベントにまで育てあげた。映画への愛は今も健在。「これまで自分を育ててくれた映画への恩返しがしたい」と、今年も市民ボランティアとともに奔走する。
○…上映作品を選ぶ時、いつも心にあるのは「多くの人の心に届く作品かどうか」。その選択眼は業界でも定評があり、川崎市アートセンターの選定委員にも名を連ねる。これまでも国内外から隠れた名作を次々と発掘してきた。全国で先駆けて川崎市アートセンターで上映したペルー映画「悲しみのミルク」もそのひとつ。ベルリン国際映画祭で金熊賞をとりながらも日本では上映されていなかった名作を川崎に連れてきた。
○…回を重ねるごとに様々な表情を見せ、深みを増していく映画祭にいつも驚かされる。最近では「友人作り」を目的に参加するボランティアが増えていることに新たな喜びを感じた。「映画を通じ、人と人が結びついていく。このイベントがそうした人々の架け橋になっていることが嬉しくて」。人が主役の映画祭を作るべく、忙しい日々をひた走る。
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5月3日
4月26日