今年度から多摩区保護司会の会長を務めている 田邉 健児さん 枡形在住 67歳
子どもたちのために動く
○…「地元で地域の子どもたちを見守りたい」と、保護司になったのは45歳の時。たくさんの少年少女と関わろうと、立てた目標人数は1000人。現在も記録を更新中だ。今年度から多摩区保護司会の会長に就任し、区内にいる32人の保護司のまとめ役を担う。保護司の主な活動は犯罪や非行に走った人たちと定期的に面談すること。「親でも、学校の先生でもないからこそ話せることがある。大切なのは話を聞くこと。本当の気持ちを見抜くこと」
○…これまでの経験を生かし、就任1年目から積極的に活動している。保護観察中の子どもたちが社会貢献できる場を増やしたいと、市に働きかけた。区内で就労支援に協力してくれる企業も探し、ようやく2社になった。少年院や刑務所から出所しても、住む家や仕事などの居場所がないために再び法を犯してしまう子も多いという。「地域の皆でなんとかしてあげたい。世の中の役に立つことを経験して、心を入れ替えるきっかけにしてほしい」
○…多摩区で生まれ育った。地元有志がボランティアで始めた柔道教室に13歳から通い始めた。有段者となり、18歳の時には同じ教室で指導にあたった。子どもたちの中には貧しい生活を送る子も多く、非行に走る姿を見てきた。子どもたちがなんでも話せる「兄」のような存在になれないかと、非行防止活動を行う青年ボランティア団体にも入った。「自分ではなく、人のためだから動ける。やりがいを感じる」
○…活動の原点となった忘れられない体験がある。約40年前、家庭の事情で柔道教室を辞めた教え子が、数年後に地元で声をかけてくれた。「あのとき柔道を教えてくれて嬉しかったと、挨拶してくれた。嬉しかった。あれが原点だね」と振り返り、目頭が熱くなる。「(保護司の仕事は)若い頃からやってたことだなと感じる。やってきたことは間違っていなかった。今後も幅広く活動していきたい」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
5月3日
4月26日