日本民家園のボランティア「炉端の会」初代会員として最高齢で活動を続ける 清水 年子さん 長尾在住 95歳
探求心 、この地に注ぐ
○…60代から古民家の案内人を務めて28年。第1・3土曜日の活動班に所属し、来園者に笑顔で接する。大好きな石造物のことや、「三和土(タタキ)」の語源など話題は尽きない。「お客様と園内を歩いて説明をすると興味を持ってくれる」と目尻を下げる。国指定文化財「旧船越の舞台」もお気に入り。「17歳のころから歌舞伎を見ていて、舞台が好き」と、一日中1人でガイドしたことも楽しい思い出だ。
○…63年前、夫の転勤で川崎市民に。34歳のとき長尾に越してきた。民俗学や仏教美術に関心を抱き、市民館で多くの講座に参加。民家園9代目園長・三輪修三氏の学習会をきっかけに、炉端の会1期生となった。学芸員による建築や考古の講義に加え、古民家の旧所在地へ研修旅行も。当主と交流し、土地特有の建築や生活習慣を知った。「新発見の数々。長尾に住む民家園の職員にもお世話になった」と、学んだことが今も生きる。
○…大正15年、寅年生まれ。今の新宿にあたる東京・淀橋(よどばし)区で育った。祖父に連れられ、渋谷で生前の「忠犬ハチ公」と会ったことが印象に残る。戦時中、19歳まで内閣印刷局に勤務。「お国のために働かなければ。家も職場も空襲にあい、それでも東京から離れなかった」――。記憶を語り、健康に活動し続ける秘訣は「よく食べることと、長尾の山で鍛えた足腰」。同居する娘の支えも力になっている。
○…民家園に限らず、市内の石造物や地名調査にも携わってきた。寺院や旧家を巡ると、「興味津々で根掘り葉掘り聞きすぎてしまう」と目を細める。全国の建物博物館を見学してきたが、「民家園が日本一」ときっぱり。「仲間と勉強し続けて、守り通していきたい」。歴代の園長や学芸員へ、感謝を込めた。
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5月3日
4月26日