金型部品加工の高い技術が評価され、2014年度かわさきマイスターに選ばれた 小川 登さん 中野島在住 64歳
成功も失敗も次世代へ
○…優れた技能を持つ人に対し、川崎市が認定する「かわさきマイスター」に選ばれた。登戸に本社を構えるリード技研の代表取締役。「今、製造業は最悪の状態。若い人に元気がない。自分が認定されることで少しでも励みになれば」。精密金型部品や精密機械部品の加工の高い技術を持ち、次世代へ継承している姿勢が評価された。「自分は先駆者として挑戦している。だから成功も失敗も次の世代に伝えていきたい」
○…社員にとってはカリスマ的な存在だ。常に挑戦者であり続ける。「社員と競争しあって進歩し続けていかないと負けてしまう。決まった方法はない。その時に一番いい方法が正解。だからいくつになっても面白い」。大手メーカーからの発注も多く、金型のほとんどがオーダーメイド。多数の機械を駆使して、1ミクロン以下ほどの精度で精密な金型や部品を生み出している。
○…高等専門学校を卒業し、半導体の金型メーカーに就職した。日本の半導体産業がまさに大きな発展を遂げた時代。「みんなが大手メーカーに進む中、大企業を喰ってやろうという気概で入った」。仕事全体のことを知りたいと思い、自ら進んで様々な部門を経験。独立をめざしたが、引きとめられて異例の社内起業となった。週2回は徹夜するほど働き、9年後に独立して会社を立ち上げた。「半導体だけではリスクがあるので別の分野にも進出した。若いからこそのモチベーションで乗り切った」
○…日本の製造業は大きな転換期を迎えている。それでも「技術の追求だけではなく、今までとは違う分野に目を向ければ製造業は永遠に伸びていける」と胸を張る。今は地下資源や再生エネルギー、介護ロボットなどの新しい分野を切り開いていく姿勢が大切だと感じている。「色々なものに興味を持って取り組んで進歩していけば、人類にとってもいいし、何より自分が楽しい」
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5月3日
4月26日