50周年を迎える「かわさき宙と緑の科学館」で、今年度から館長を務める 藤田 智也さん 枡形在勤 51歳
対話重ね、思い交わす
○…今春、半世紀の歴史を刻む科学館の館長に着任。引き継ぎの際、プラネタリウムの美しい星空に衝撃を受けた。「あの感動を、市民の皆さんにも伝えたい」。50周年の記念番組制作では、学芸員ら職員に交ざって試行錯誤。「映像と音と解説をどう効果的にみせていくか。結構こだわった」と目を細める。「さまざまな考えを持つスタッフが集まっている。皆が声を出し合える館をつくっていけたら」
○…市職員になったのは39歳のとき。社会人採用で教育委員会に配属され、労務関係の仕事から始まった。4年目からは教職員課へ。教員採用に携わり、全国への広報や面接、試験などを通じて「人とつながる経験ができた」と振り返る。校舎や体育館の改修を担う部署では、登戸小や三田小を担当したことも。前部署は課長として在籍した学事課。「人を動かす立場」で3年間職員と向き合い、今に生かす。
○…名古屋で生まれ、岐阜や北海道、千葉と、転勤族の家庭で育った。居を移しながらも、友人と昆虫を捕って遊んだ記憶を生田緑地と重ねる。大学では法律を学び、前職は10年以上勤めた公務員専門学校の講師。同校は、学生の意見を反映させるゼミ形式が主体だった。「生徒が自分たちで考えて、教え合う」。一方通行の指導にならぬよう、思いを注いだ。
○…科学館へは千葉県船橋市から2時間弱、電車に揺られて出勤。一方休日は、中2の息子とキャッチボールを楽しむのが息抜きだ。50周年の企画が続く中、「市民と共に歩み、歴史を重ねてきた科学館。先輩方が築き上げてきた思いが詰まっている」と、改めて心に刻む。「ここでの気づきが、科学だけでなくいろんなことを考えるきっかけになれば」。来館者にそっと寄り添う。
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5月3日
4月26日