先月、第４期多摩区区民会議の委員長に就任した 大津 努さん 宿河原在住 71歳
区民に役立つ提言を
○…公募や推薦で選ばれた委員によって地域の課題解決をめざす区民会議。その舵取り役に就いた。「10月に行われる全体会議で今期の分科会のテーマを絞り込む。総論だけでは実行を伴いにくいので、具体的なテーマを定めていきたい」。具体的なテーマに絞って進める分科会の役割は区民会議の議論を進める上で大きい。地域のために何ができるのか、行動力を持って臨んでいく考えだ。
○…民生委員・児童委員としての顔もある。「人によっては生活に苦労していても言いにくいこともあるし、児童虐待の場合なら親が虐待を認めることはまずない」。そんな時は相手ににじり寄っていく。何度も通って少しずつ距離を縮めていくのが大津流。子どもが親しみやすいように動物柄のネクタイを身につけることも。「営業職で人との接し方を学んだことが、民生委員として役に立っている」
○…生まれも育ちも宿河原。戦後間もない頃は、宿河原地区にはモモとナシの畑が広がっていた。「イナゴを取るのが子どもの仕事でね。取ったら焼いて食べる。食糧事情が悪い当時は貴重なタンパク源だった」と懐かしそうに振り返る。今では当時の何倍もの人口を抱えるまちに変わった。「祭りなどの行事を通じて、古くからの住民と新しい住民が融合しているのが宿河原のいいところ」。地域に誇りを感じることが活動の原動力となっている。「仕事を引退したら、いずれは地元に戻るのだから、故郷に恩返しをしたかった」
○…第４期区民会議はこれから審議を重ね、２０１４年３月をめどに区長への提言書を提出する計画だ。各分野から選出された20人もの委員の意見をまとめていくことになる。「どんな意見が出てくるのか楽しみ。多摩区が抱える直近の課題を掘り下げ、展開し、区民の役に立つ仕組みを提言していきたい」
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