小田急電鉄で初の女性駅長に就任した 水島 悦子さん 登戸駅長 39歳
仲間を思い、裏方で支え
○…小田急線の登戸駅―百合ヶ丘駅間の5駅を管轄する登戸駅長に、7月4日から着任。「私でいいのかな、という気持ちもあるが、一生懸命やりたい」。1927年の開業以来、女性初の抜てきに気を引き締める。「現場の最前線に出る仲間たちと一緒に仕事ができるのは誇り」。アルバイト約60人を含め、社員約130人のリーダーとして「誰もが働きやすい職場づくり」を掲げ、裏方に徹する。
○…出身はさいたま市。学生時代に都市開発や自治体の役割について学び、「一番身近だった鉄道に携わりたい」との思いで2001年、小田急電鉄に入社。最初に配属された営業推進部では、宣伝担当として沿線を紹介する月刊情報誌「CUE!」(キュー)の編集、製作に携わった。「取材に同行したり、社内外のいろんな人たちと接することができたのは貴重な経験」。江の島のPRや、箱根をテーマにしたCMのコンペに立ち会うなど、宣伝畑を夢中で駆け抜けてきた。
○…人事部や旅客営業部を経て登戸駅へ。「管轄の5駅はそれぞれ特徴がある。地元商店会の活気があってにぎやか」。着任してすぐ、「民家園通り商店会夏まつり」に小田急としてブースを出店。フェイスペインティングや「子ども駅長」の撮影会など参加型の催しを通じて、まちの人たちと対話し、自ら交流を深めた。「まちの発展イコール駅の発展でもあり、運命共同体。人とのつながりを大切に、地元主体のイベントがあれば参加していきたい」。気楽に話しかけられる、親しまれる駅係員でありたい。そんな思いをそっと抱く。
○…「ストレス解消のため」というバイオリンは、知人の勧めで始めて10年ほど続けている。オーケストラにも参加しており、仕事の合間を縫って練習する。「人と人とのやりとりが好き。仲間と一緒に何かをやり遂げるのが、やっぱり楽しい」。やるからには、とことん全力で――。仲間を思い、一歩ずつ前に進む。
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