生田中央商店会の会長に就任した 山田 美佐男さん 栗谷在住 62歳
一発勝負も、一途な「信頼」
○…先月29日、84店舗が加盟する大所帯のまとめ役に就いた。創業80年の自転車屋「サイクランドヤマダ」の３代目社長で、祖父は商店会の創設メンバーというベテラン会員だ。まず力を入れたい事業に街路灯修繕をはじめ、歳末の一大イベントとして定着するスタンプラリーを挙げる。「会員の新加入も視野に、会全体を盛り上げられたら」
○…３人兄弟の長男で生田小、生田中学校出身。「技術は後でも身に付くから、帳面を学べ」という祖父、父親の言葉を受けて商業高校へ。卒業後は自動車整備のスクールに通う傍ら、「今後の商売のため」とイトーヨーカ堂に就職。本社を経て１年半、溝ノ口店で紳士服や雑貨の売り場を回り、接客や販売を無我夢中で学んだ。20歳ごろから家業を手伝い始め、自転車のほかバイクや車の整備、リヤカーのパンク修理も手掛ける一方、販売全般を担う日々。地元生田では商店会活動に消防団と、同世代の仲間と絆を深めた。「小中学校がみんな一緒で共通の話題ばかり。草野球をやったり旅行したりね、楽しかった」
○…自転車のレース経験を生かし、選手に指示を出す司令塔として１９９８年に参戦した店舗対抗の全国大会では、２００組以上の頂点に立った。４人１組で鈴鹿サーキットを走るレース。当時初めて無線を導入し、強豪との駆け引きを制した思い出は胸に焼き付いている。今では高校生や大人のアマチュア競技者を相手に、自転車のパーツ交換やメンテナンスを引き受ける。「一発勝負のフレーム作りとか、相談に来てくれるのは嬉しい」。親身な助言がモットーだ。
○…息子２人と娘１人で、会社員の長男は高校時代に自転車部で国体３位に輝いた。「長男が来てくれれば、お店のチームでまた勝てるかな」。果てしなき夢を、思い描く。
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